オーラルケアを始める前に…オーラルケアで知っておきたいポイント

現代人の口腔事情

日本のオーラルケア事情は?

厚生労働省の調査では、80歳以上で自分の歯を20本以上持つ人が初めて30%を超え、今後も残存歯数が増加する良い傾向が予想されています。同時に歯周病などの口腔トラブルを抱えている割合も急上昇、高齢者層だけでなく20~24歳の若年層でも歯周病が増えています。一方、毎日の歯磨き回数は増加傾向です。正しいオーラルケアが問われる時代になってきました。

監修:医療法人社団 林医院 林ゆき枝 先生
開業とフリーランスで矯正歯科診療。脳外科では口腔リハビリにも携わる。「食育・歯育」「姿勢とかむこと」をテーマに研究、講演活動を行う。マラソン大会ではランニングドクター®としてボランティア走もする。

お口について悩む方は年々増えている

先進国のなかでも、とりわけ日本はお口の関心度が低いと言われてきていました。
日本における医療全体が国民皆保険制度に守られています。その安心感からでしょうか、歯科においても同じく「痛い」と感じて、初めてお口に目を向ける傾向が背景にあるように思われます。ところが昨今、様々な口腔衛生品メーカーや衛生調査機関の最近の調査結果から「お口について気になっていることがありますか?」の質問に、約9割以上の人が何かしら「気になっていることがある」という結果がでます。例えば、虫歯、歯周病、歯茎がやせてきた、歯の色が気になる、歯並びが気になる、口臭、知覚過敏などがそれです。では一方、オーラルケアへの意識はどうでしょう。一日の歯磨き回数は日本のオーラルホームケアに対して最近進んできているとはいえ、まだまだ意識が低いのが現状。例えば、一日の歯磨き回数は増えてきている結果の裏はらに歯ブラシ以外のオーラルケア用品使用率はほとんどの世代で半数以下。毎日のオーラルケアの大切さはわかってきているものの、生活に浸透していない、正しい使用方法がわからないのが現実。では次の一歩は何でしょう、お口への意識や関心への入り口は歯の美白かもしれません。

治療から予防のためのオーラルケアへ

生活習慣病は生活習慣が原因で発症する病気、自身の生活習慣を是正すれば予防できることが周知されています。ここ数年の健康診断では高血圧症、糖尿病、心臓疾患予防のために、積極的に生活習慣が指導されるようになり、効果をあげてきています。
皆さんは「歯周病」「虫歯」が第6番目の「生活習慣病」であることをご存じでしょうか?生涯自分の歯で噛めること、食事が出来ることが国からも推奨されているのです。痛くなってから歯医者さんに行くのでは、時間も治療費もかかります。まして歯や歯茎は、ひとたび侵されると治療しても元通りには決してなりません。なぜなら他の臓器は細胞代謝によって生まれ変われますが、歯は細胞ではなく、歯茎は特別な構造で歯と接合されているため、どんな名医でも元には戻せないのです。
自分の歯で噛むことは様々な効果があります。「ひみこのはがいいぜ」というスローガンは、「肥満予防」「味覚の発達」「言葉の発音がはっきり」「脳の発達」「歯の病気を防ぐ」「がんの予防」「胃腸の働きを促進」「全身の体力向上と全力投球」のひと文字目をとって噛むことの効果を知ってもらうスローガン。自分の歯で噛むことはいいことばかりです。最新の報告では歯ブラシ回数が一日3回以上の人が増えてきました。フッ素塗布したことがある人も増えてきています。一方で、歯周病人口は増えています。治療から予防への時代。毎日の正しいセルフケアと歯医者さんでの定期的なプロフェッショナルケアで、お口の環境を整え、お口のトラブルを防ぎましょう!

各種専門外来の出現

日本では国民皆保険制度が導入され、ほぼ収入に差なく平等に治療が受けられます。特に虫歯治療は、世界では保険内で出来ないような高度な治療も日本では可能です。しかし安価で治療を受けられる日本の保険制度の利点が、予防の認知拡大を阻む要因にもなっています。世界で最も予防歯科が進んでいる北欧では、虫歯予防の甘味料キシリトールの開発や、プラークコントロールの大切さを知らせる研究を世界に向けて発信してきました。多くの人が民間の医療保険に頼るアメリカでは、自ら健康を守るための様々なプログラムがあるようです。
日本でも予防歯科の大切さを知ってもらうために、様々な歯科外来が出現しています。アンチエイジング歯科外来、ホワイトニング外来、口臭外来、ドライマウス外来、アロマテラピーを取り入れた歯科外来など、保険制度ではカバー出来ない独自の診査、診療を利用したよりレベルの高いオーラルケアを歯医者さんから受けられる機会が持てるようになりました。

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